基盤の造形
2019年09月17日
今回は「P-02」をご紹介いたします。
ちなみに「意思」というタイトルをつけておりました。
穴の開いたところにチェーンを通して使用します。
前回のブログで少しふれたように、黒い岩肌テイストと鏡面の有機的なラインのスタートになったものです。
制作したのは、2007年くらいと思います。
当時はまだ、ブランドにもしておりませんでしたし、物作りがまだ仕事になっていない時です。
宝石という多くの人に魅力を与え、価値を認められているものより、誰も見向きもしない小石の造形に惹かれました。
なんとなく自分も重ねてしまう部分もあったと思います。
力強さを含みつつ、何か陰のあるような悲しさを持つ。
物相反するものが混ざった魅力に惹かれました。
実際に落ちている小石を拾い、それを型どりし、彫り込んで製作しました。
当時は同じ小石から、3種類制作しました。
ここに使っていくうちに変化してゆく魅力も混ざり、時間という概念を考えるようになり、それを自分なりに造形に含めていくようになりました。
時間のイメージや、経年変化という実際の時間等です。
いまだに魅了されているため、しばらくはこれを追求するという仕事を続けると思います。
流行とは重なっておりませんが、そのうち、重なってくる部分も出るかもしれません。
あまり影響されずに良いものを作れればと思っております。
こちらの作品は通常どこにも出しておりませんが、もしご覧になりたいと仰っていただける方がいらっしゃれば、ショールームに持っていきますのでご連絡いただければ幸いです。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願いします。
工藤